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陽だまりの仮面 -嘘-

第1章 2面性

彼の視野にあたしが居ないのなら。

自分から入ってしまえ、ホトトギス。



「花木君………だっけ?」


「………。」


「ねぇ、聞いてる?」


「…………。」


「ねぇ、ちょっと聞いてんの?」


「何か用ですか?」



……………。



あたしが話掛けると、男子は顔を赤らめたものなのに。

彼は…赤くなるどころか、それでもあたしを一切見ないまま。



……益々、気に入った!



「ねぇ、花木君はどんな人が好みなの?」


「…聞いてどうするんですか」


「別に?ただの興味本位だけど」


「ふーん。俺の好みに興味持つとか変わってますね」




面倒臭そうに、溜息を1つ吐いて。

読書の邪魔すんなと言う風に中指で眼鏡をクイッと上げて

あたしをそれでも一切見ずに、彼は好みを教えてくれた。





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