
陽だまりの仮面 -嘘-
第8章 夕陽と泪味 ②
「は?何度も同じ事言わせんなよな~?
だ~か~ら!今俺は琉愛ちゃんと…「何度も同じ事、言わせないで貰いたいんですが?」
「あ…?」
「“琉愛ちゃん”じゃなくて、“牧村さん”です。
僕、前にも君に言いましたよね?何度も同じ事言わせないでください?」
「プッ!誰がそんな事聞くかっつの!
その彼氏気取りがマジでうぜぇんだけど!」
「そんな事どうでも良いので琉愛の手、放して貰えません?」
「嫌だね」
無表情で淡々な花木君。
ニヤニヤして馬鹿顔で、でも花木君を見下したような態度の、バカ橘。
これで、花木君も橘と同じように小馬鹿にするか、苛々した雰囲気だったりすると一色触発状態だったのかもしれないけれど
……何だろう。
片や、あまりに普段と変わらない冷静さ過ぎて、良くある修羅場的な雰囲気じゃない。
だけど、それだからなのかもしれない。
「お前さ、何調子乗って“琉愛”とか呼んじゃってんの?」
「…………。」
「っつかさ、マジで、いつまで彼氏面する気?
マジウケんだけど」
橘の苛立ち具合が上がってってるようにも思える声色が、シーンとした図書室に響き渡る。
だ~か~ら!今俺は琉愛ちゃんと…「何度も同じ事、言わせないで貰いたいんですが?」
「あ…?」
「“琉愛ちゃん”じゃなくて、“牧村さん”です。
僕、前にも君に言いましたよね?何度も同じ事言わせないでください?」
「プッ!誰がそんな事聞くかっつの!
その彼氏気取りがマジでうぜぇんだけど!」
「そんな事どうでも良いので琉愛の手、放して貰えません?」
「嫌だね」
無表情で淡々な花木君。
ニヤニヤして馬鹿顔で、でも花木君を見下したような態度の、バカ橘。
これで、花木君も橘と同じように小馬鹿にするか、苛々した雰囲気だったりすると一色触発状態だったのかもしれないけれど
……何だろう。
片や、あまりに普段と変わらない冷静さ過ぎて、良くある修羅場的な雰囲気じゃない。
だけど、それだからなのかもしれない。
「お前さ、何調子乗って“琉愛”とか呼んじゃってんの?」
「…………。」
「っつかさ、マジで、いつまで彼氏面する気?
マジウケんだけど」
橘の苛立ち具合が上がってってるようにも思える声色が、シーンとした図書室に響き渡る。
