テキストサイズ

陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

「君は何か勘違いしてはいないですか?」


「は?勘違いしてんのはお前…「“それさえも”なれていないのは自分だって事

理解して発言していますか?」



「………あ?!」



「君の言うように僕はつまらない男ですが、君とは違います。

でも、それでも彼女に選ばれたのは君ではなくて、僕。


だという事、理解してますか?」



真っ直ぐ橘へ視線を向けたまま、静かに、そしてゆっくり言葉を放ちながら1歩づつ更に橘との距離を縮める花木君は



「どういう意味だよ」


「何を言っても、琉愛の彼氏は僕だという事です。

どんなに僕を卑下しても、琉愛の彼氏は君ではなくて、僕。」


「お前さっきから調子乗ってんじゃ…「いい加減、」





――――えっ……?





さっきまでの淡々とした感情が読み取れない

というか、感情すら無い声色から一転。


低い声色で橘の言葉を遮る花木君に
嘲笑うようにしてた橘も、ハッと息を飲んでる様子。



同時に、取り巻く空気が今まで以上にピンと張りつめる。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ