
陽だまりの仮面 -嘘-
第8章 夕陽と泪味 ②
「その手、放して貰えませんか?」
言葉の速度ほどゆっくりで変わりはないけれど、それでも今まで見た事がない鋭い眼光の威圧感は凄くって。
言葉を吐き出しながら、橘の腕を掴み
「彼女、嫌がってるじゃないですか。
これ以上続けてても自分が不利になるばかりじゃないですか?」
「っ、」
橘を見据える花木君に対して、橘の表情は見る見る間に苦痛を帯びた表情へ。
「離しましょうか」
あれだけブンブン振ってみても離れる事のなかったクソ橘の手はあたしの腕からスッと離れた。
――――けど。
さっきまで橘に掴まれてた腕を、今度は優しく花木君に掴まれて
「琉愛」
「は…、はい」
「こっちおいで?」
言い終わると同時にグイッと腕を引っ張られ、さっきまで橘の近くに居たあたしは
今度は、花木君の傍へ。
花木君の腕の中へと、包まれる。
その瞬間。
今まで冷静だった鼓動が、一気に騒ぎ始める。
言葉の速度ほどゆっくりで変わりはないけれど、それでも今まで見た事がない鋭い眼光の威圧感は凄くって。
言葉を吐き出しながら、橘の腕を掴み
「彼女、嫌がってるじゃないですか。
これ以上続けてても自分が不利になるばかりじゃないですか?」
「っ、」
橘を見据える花木君に対して、橘の表情は見る見る間に苦痛を帯びた表情へ。
「離しましょうか」
あれだけブンブン振ってみても離れる事のなかったクソ橘の手はあたしの腕からスッと離れた。
――――けど。
さっきまで橘に掴まれてた腕を、今度は優しく花木君に掴まれて
「琉愛」
「は…、はい」
「こっちおいで?」
言い終わると同時にグイッと腕を引っ張られ、さっきまで橘の近くに居たあたしは
今度は、花木君の傍へ。
花木君の腕の中へと、包まれる。
その瞬間。
今まで冷静だった鼓動が、一気に騒ぎ始める。
