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陽だまりの仮面 -嘘-

第1章 2面性

10年間、片思い。

10年間、どう気持ちを伝えようか。
なんて考えは頭に一切無く


とにかく、いかに彼の好みの女性になり切るか



あたしの頭の中は、ただこれだけ。


普通の女の人は、どう気持ちを伝えようかってとこを悩むんだろうけど、あたしは違う。



自分のはっきりした性格(良く言えば)

自分の裏表のない性格(良く言えば)



この性格が災いして、あまり良い対人関係を築いて来られなかった過去があったから

まず、そこからどうにかしなきゃいけないのかな

そう思った。


かと言って、性格は変えたくない。


だったら?

演じてしまえばいいじゃん!




とっても10歳が考える浅はかな考え方。


今考えればそう思うのだけれど、当時のあたしの考えを非難する気はない。


あの時は、こうするのが得策だと思ったのだから。



まっ。


結果的に、演じようが何しようが

彼の視野に入り込む事は出来てないんだから、意味が無い。



あたしは………



あと、何年、彼好みの女性を追及して演じてたら


彼の視野に入り込めるのだろうか……。






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