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陽だまりの仮面 -嘘-

第9章 琉愛×仮面

何の根拠もない事が判明した砂羽の言葉に目を丸くするあたしの前で

砂羽は届いたポテトを1本パクリと口に頬張りながら、満足なのか“うんうん”と頷き、指をペロリと舐めながら上目であたしを見る砂羽。


ちょっとした仕草なんだけど、やっぱり悔しいかな色っぽくて

女のあたしでも、ドキリ。



「そもそも考えてみ?」


「??」



唐突に投げ掛けられた問いに思わず首を傾げる。



「いくら恋人ごっこしてるからってさぁ、本と眼鏡しか興味が無さそうな花木が琉愛を抱き締めたり自然と出来る?」


“あの花木が、だよ?”なんて、“あの”に無駄に協調するところが少し引っ掛かるけど

砂羽の言葉もごもっともな感じはあたしもしてたから、その部分は納得。


自転車の時も。

あの、夕暮れの公園での“罰ゲーム”の時も。

図書室での出来事も。


普段の花木君からは想像も出来ないくらいの、ドキドキ花木君に変化しちゃってて。


なんか……。

もんのすごい高度な恋人ごっこだなって密かに思ってた。



「全く興味すらない女に、あんな焦り気味で図書室の鍵なんて隣りクラスから借りたりしないと思うんだけどな~。

ちょっとは好意、あると思うんだけどな~」



って、砂羽はポテトを咥えたまま、あたしの顔を上目でチラッ。





…花木君が、あたしに好意………?






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