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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

でも、それからも悠希は誰かと付き合ったりすることも無ければ、当然浮いた話なんて家族間でもするわけもなく。


だから、やっぱり思うんだよね。


「悠希ぃ…」


「どした?」


「やっぱ悠希は女より男の人が…」


「その口、口で塞いでやろうか?」


「なっ…!!?」



悠希はニヤリと笑いながら椅子から少し立ち上がり、あたしの顎を右手の親指と人差し指で挟み込みクイッと上げ



「ファーストキス、俺が奪ってやろうか?」


「~~~~~っっ!!」



至近距離まで顔を近づけようとするド変態丸出しの悠希の胸元を、思いっ切り両手でドンと押し退け



「妹相手に何やってんだ!!このクソ兄貴!!!」



キッと睨んで怒鳴ってやれば、これまた反省の色なんて全く無しで



「チッ。あと少しだったのに。

ざ~んねん♪」


ペロッと舌を出してマジで残念そうな顔をする悠希に、肩から一気に力が抜ける。



……シスコン男に何を言っても無駄だ……。

あたしが疲れるだけだ。




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