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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

小さくなるあたしを見下ろし軽くフッと笑ってみせ

「何か食べましょうか」とあたしの手を引く花木君に着いて歩く、彼の左隣。


肩を並べ歩きながら、左手に持つm&mのチョコを眺め思わず頬が緩む。


あたしが騒いでたからなんだけど

あたしが毎時間バカみたいに騒いでたからなんだろうけれど


それでも、あたしがm&mのマーブルチョコを好きだという事を花木君が認知してくれてた。


これは紛れもない事実なわけで。

それを覚えてくれてて買ってくれたm&mのチョコ。


それが凄く凄く嬉しくて仕方がなくて、堪らなくて。


落して無くしてしまわないように

溶けてぐちゃぐちゃになってしまわないようにm&mのチョコを鞄の奥底へ。



本屋を出ると既に陽気な陽は真上で暖かく照らしてて。



「何が食べたいですか?」


「えっと…花木君は何が食べたい?」


「僕は何でもいいですよ?」


「じゃぁ、ハンバーグとか?」


「ハンバーグは気分じゃないですね」


「あ…そっか。じゃぁパスタ?」


「パスタ、ですか…」


「え…、じゃぁ和食、とか?」


「和食って気分でもないんですよね」


「………中華…?」


「中華、ですか……?」



明らかに嫌そうな顔をする花木君。




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