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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

「いいですね」


「え?」


「僕、パスタ好きなんですけど琉愛も好きなんですよね?」


「うん!好き!」


「なのに2人同じように和風系が苦手って、何だか良くないですか?」




――――ッ!





テーブルに両肘をついて、指と指を組んで目を細め微笑む花木君が放った言葉は


ついさっき……


あたしが思った事と全く同じ事で。

あたしが嬉しいと思った事と全く同じ事を、花木君も良いと思ってくれてたんだ


その事が嬉しくて、でも何だか照れ臭くて

それにプラスされて、微笑む花木君に何も言葉が出なくて


“うん!”って一言返せばいいだけなのにその一言がなかなか出なくて、ほんの少し流れる沈黙。



その沈黙を掻き消すかのように



「お待たせしました。トマトとナスの……」



ウェイトレスが両手に2つのパスタを乗せてやってきて



「美味しそうだね」


「う、うん!」



沈黙回避。




ウェイトレス……



ナイス!!!






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