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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

「あ、そういうわけじゃないけど…

パスタは何でも好き、かな?」


「そうですか」


「花木君は?クリーム系が好きなの?」


「僕も基本何でも好きです。

けど、和風パスタは受付ませんが」


「え?どうして?」


「パスタなのに和風の意味が分からないからです。

和風にする必要性の意味が分かりません」


眼鏡をクイッと上げて話す花木君の言葉に、あたしは思わず



「分かる!!あたしも一緒!!」



さっきまでドキドキして、どちらかと言えば縮こまってた体制から一変。

身体を前のめり状態の大興奮。


「あたしもパスタの和風、意味が分からないと思ってるんだぁ実は!」


そうなんだよ。

野沢菜とか明太子を使ったパスタの意味が昔から理解出来ない、あたし。

醤油ベースのパスタなんて邪道。

とまで思っていた、あたし。



「花木君も和風系はダメなんだ~」



まさか、花木君も一緒だったなんて意外過ぎるし

同じモノが苦手とか…

嬉し過ぎて、ドキドキしてた気持ちとか、どこを見ていいのか悩んでた事なんてどうでもよくなって


ただただ、すこぶる嬉しさを噛み締める。





――――だけど。






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