
陽だまりの仮面 -嘘-
第10章 初デート
…………えっ、?
思わず振り返り花木君を見る。
今、花木君、“美樹”って…?
振り返った先に居る花木君は、いつものポーカーフェイスな表情とはほど遠い
目を見開いて、明らかに驚愕しきってる様子の花木君で。
そんな花木君は今まで見た事がなくて。
あたしの視線に気付く事もなく、ただただ、その“美樹”という人に向けてるだろう視線を辿ってあたしも再び、悠希の方へと振り向く。
「琉愛!お前………」
何やらギャーギャー言ってる悠希の言葉なんて耳には入って来なくって。
あたしの視線は、“美樹”って人に釘付け。
だけれど、彼女もまた花木君と同じ。
あたしの視線に一切気付く事もなく、あたしを通り越した先のソレを口元を弧を描きながら見つめ
「元気にしてた?
愁」
クスッと笑ったんだ。
