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陽だまりの仮面 -嘘-

第12章 思いもよらない結末

抵抗する力が抜けた事を感じたのか。

あたしが力を抜いた瞬間、ふと軽くなるあたしの唇。


重なり合ってた唇がゆっくり離れ

再び絡みあう、花木君の瞳と、あたしの瞳。



「…………えっ…」



何が何だか分からず、何でキス…されたのか分からず動揺で揺れるあたしの瞳を今度は花木君が捕えて逃がさない。




……もし……か、して…?




なんて淡い期待さえも抱き始めるあたしの心。



だって…キス、だよ?


何の意味があるキスなのか良く分からないけれど、キスってあれなんじゃないの?


す…好き、だからするもんじゃないの?



期待含めた疑問を胸に真っ直ぐ見つめる花木君の瞳をじっと見つめていると


そっと彼は瞳を綴じ、ふわりと笑って言ったんだ。





「僕は、





今のあなたは好きじゃありません。

すみません」




と。




「え…」




「僕はあなたを好きじゃない」




と、はっきり言ったんだ。






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