テキストサイズ

陽だまりの仮面 -嘘-

第2章 陽だまりの・・・・・・

そんなあたしの心情を読み取ったのか。


「牧村さん」



あたしの名前を呼びながら、スッと身体を離す花木君。

離れてもまだ尚、背中・肩・腰に感じる彼の温もりと

辺りに充満してる花木君の香りに



ドキドキドキドキ……



心臓は一層、鳴り止まない。




「牧村さん?」



よ、呼ばれてるよ、あたし!

あの花木君から呼ばれてるよ?!

ど、ど、どうするべき?!



……いやいや。

振り返るべきだろ。



ドキドキする心臓を押さえながら、ゆっくり後ろに居る花木君の方へ振り返ると





―――――あ……






図書室の、大きい窓から入り込む陽だまりの中

陽の柔らかい輝を浴びながら

窓に寄り縋るようにして腕を組む花木君の姿がとても綺麗で、絵になってて







トクン…――――








彼の眩しさに、思わず目を細める。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ