無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

――――――いつもなら。



この、花木スマイルにあたしは魅了されてしまって、気付くと彼のペースに流されてしまってるところなんだけれど




………今日は、違う。




「離して……ｯ‼」



「琉愛？」



あたしを優しく誘導する花木君の手を振り解いたあたしを花木君は黒目を少し揺らしながら、真っ直ぐ見つめる。



どうして……？




「どうして……？」



意味が分からない。



「どうして花木君は、“普通”なの…？」



話しながらもｷﾞｭｯと苦しくなる胸。

絞り出すような声で彼へと問うあたしの言葉を漏らす事なく聞いた花木君は、真っ直ぐあたしを見つめたまま




「どうしてって。



“恋人ごっこ”




継続中、ですよ？」




と、静かにあたしの問いに応えた。