テキストサイズ

陽だまりの仮面 -嘘-

第13章 失恋

木山は絶対的に論外なんだけれど



正直、砂羽の言う事も今のあたしにはちょっと心に響いてみたりもしてたりする。



“恋を忘れるには次の恋”


“愛してくれる人に……”



今まで、花木君しか見て来なくて

花木君しか好きじゃなくて。

10年という年月はあたしの中では結構あっと言う間に過ぎ去った年月だったりもしたんだけれど




………届かなかった想いを断ち切るには10年という歴史は、あまりに長い年月で。




そんなに簡単に断ち切れそうな感じが自分の中ではゼロ、なんだもん。


フラれたからって簡単に“好き”だという気持ちを消去出来るような簡単な想いではなかったし


今まで見てきた色々な想い出と共にあたしの心に未だに根付いてる


想い。



これを断ち切れれば、今の状況でもどんなに楽なんだろう。


届かない想いは…断ち切らなきゃダメ。



なんだもんね。




いつまでも想ってても仕方がない。



恋愛経験が花木君を好きだという事しかないあたしでさえ、それはちゃんと分かってる。



だから、断ち切る手段が欲しい。




とも、思ってる…。





だけど……






ストーリーメニュー

TOPTOPへ