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陽だまりの仮面 -嘘-

第14章 流れる心

「はぁ………」



深い溜息を吐き出しながら、ゴロンとベッドの上で俯せに転がり

枕に顔を埋め、真っ暗な世界へ。




……流れに身を任せと砂羽は言うけれど……




長年好きだった人。


長年、彼しか見てなかったあたしが


自分で言うのも何だけど、あたしはモテる。

実際、超モテる。

今まで散々色んな男から腐るほど告られてきたし

腐るほど、断って来た。

腐るほどチヤホヤされてきたし、それはあたしの可愛さじゃ当たり前。


だって、あたし


可愛いもん。

男ウケ良い女を演じて来たわけだし、女子からも好かれるよう女ウケ良い女も演じて来たんだもん。

そうなるように努力して来たんだもん。

そんなあたしが何の努力もしない女子と一緒なワケがないじゃん。

モテないワケがないじゃん。



“琉愛ちゃんは可愛いし、頭もいいし、性格もいいし。

やっぱモテる女は違うよね~”



当たり前だっつの。

あんた達、何の努力もせず指咥えて見てるだけの

THE モテたい症候群

と一緒にしないで。



人気者になるよう、あたしは自分をずっと磨いて来たんだから。



それでも…。



そんなあたしでも、ただひたすら花木君だけ見て来たあたしには何ら興味なんてなかった。




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