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陽だまりの仮面 -嘘-

第14章 流れる心

お昼休みの校内は、4限まで続いたつまらない授業から解放された野獣が暴れるかのごとく

中庭や、廊下でキャーキャーと賑わう。


友達同士で童心に返り、鬼ごっこしてる男子


恋人同士でムカつくくらい仲良くしてるバカップル。



………ちくしょう。

後ろから飛び蹴り喰らわしてやろうかな…。


チッ!




思わず吐いてしまう、毒。



ただでさえ、今から楽しくない場所へ行こうってのに、他人のラブラブなんて見るんじゃなかった。


渡り廊下から中庭を覗きながら歩いてた視線を図書室へ向けた。





ここは、中庭や、学級がある校舎とは違って専門的な教室


例えば、化学室とか、資料室とか。

そういった類いの教室ばかり集まる校舎だから、本当休憩時間は生徒が少ない。


寧ろ、居ないと言ったほうが過言ではないかも。


図書室もあるのはあるけど本当に利用されない場所だし。




図書室に来るのは



“あの日”以来だな……





【図書室】と書かれたプレートを見上げ、大きく息を吸い、深呼吸。



……やれやれ。



気合いも何も入れる事なく、脱力のまま



だけど、“いつもの琉愛”になりきり





―――――ガラッ





「よっ」



「ごめんね?遅くなっちゃって」




既に図書室の中で、椅子に座って腕を組み待機してたセクハラ橘に

ニコリと必殺、琉愛スマイルを1つ。




「別に。俺もさっき来たから。

ていうか、早く入れば?」



「あ、うん」



促されるがまま、図書室の中へ入り




――――ピシャッ





開けた、図書室のドアを後ろ手に閉めた。









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