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陽だまりの仮面 -嘘-

第14章 流れる心

早く行けと無駄に急かす砂羽に


「分かったよ!行ってくればいいんでしょ!行けば!!」



ヤケクソに思いっきり、あっかんべーをして



「……あたしに何かあったら、あんた死ぬまで恨むから」



砂羽の耳元で、それはそれは低い声で一言。



「おぉ…怖っっっ…」



両腕で自分の身体を抱き、震える仕草をして見せる砂羽に



「ふんっ」



鼻で、これでもかってくらい、一笑い。




「10分経って戻って来なかったら様子見に行くわ」



「頼もしいですわね、砂羽さん」




後で報告待ってる!と楽しそうに言う砂羽に振り返る事なく


全くテンションも気分も何もかも上がらないまま、あたしはセクハラ橘が待ってるであろう

図書室へと足を向けた。




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