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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

「な、何…「毎日、疲れねぇ?」





小馬鹿にしたような、飽きれたような

そんな声色じゃない。

寧ろ、初めて…って言っても今日で話すのは2度目だけれど

それでも、初めて聞く優しい声色で橘は想像にもしてなかった言葉を、一言。




………こいつ…。

何言ってんだ?




「疲れるって何が?」




何?

あたしを老体扱いしてんのか?

何に対して“疲れる”って問うてるのかさっぱり分からないんですけど?




橘の問いに怪訝な顔になるあたしに、橘は鼻でフッと笑い




「自分でも分かってる癖に?」




今度は、少し小馬鹿にしたような笑いを含んだ声色。




「は?」



「自分でも何の事かって分かってんだろ?」




って、何かを悟ってるかのように、ニヤついた上目遣いをしてくるけどさ




「さっきから何言ってるの?」




いやいや。

マジで何言ってんの??

ほんと、何言ってんのか分からないんだけど。




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