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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

―――――ガラッ




「いけませんねぇ」



「ッッ‼‼」





な………なんで?!





「人の“彼女”を気安く抱き締めないで貰えませんか?


橘君」




突然の、思わぬ侵入者に驚き過ぎて声が出ず、固まるあたしと橘を真っ直ぐ捕えながら


1歩

そして、また1歩あたし達に近付き



トレードマークの黒縁眼鏡を人差し指でクイッと上げ




「離れて貰えませんかね?」



眼鏡の奥の眼光を強く橘に向けた後

真逆の


ふわりとした微笑をあたしに向け




「琉愛、おいで?」




右手をそっと差し伸べる花木君に




あたしは、ただただ





――――どうして?!


――――なんで?!





この2つの言葉しかない。





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