
陽だまりの仮面 -嘘-
第16章 2つの腕
グッと両手に力を入れ
1歩
また1歩
あたしへと差し出す“二筋の道”へと近付く。
あたしの行動を終始ガン見してる2人の視線をバシバシ感じとりながら
あたしは2人と視線を絡める事なく、俯き、歩く。
そんなあたしを見守ってくれてるような
こんなあたしを応援してくれてるような
そんな暖かさをくれる陽だまりを背中に浴びながら、1歩1歩2人の傍へと歩き
「決めたようですね」
「戻ろう!琉愛ちゃん!」
2人の同時に掛けた声を聞きながら
差し出された手へと、自分の右手をそっと伸ばす。
選ばなかった方の“道標”に
一言
「今は…この人と居ようと思う。
だから、また後で…」
そう告げて……。
