
陽だまりの仮面 -嘘-
第16章 2つの腕
両方の腕を行ったり来たりとキョロキョロさせるあたしを、2人は急かす事もなく
ただ、じっと静かに腕を差し出したまま、あたしの答えを待つ。
……ていうか。
花木君の腕を選ぶメリットって、あたしにはあるの?
確かに、花木君の謎の言動は気になるし意味不明だし
どういうつもりなのか問いたい気持ちはあるけれど
でも……ほっとけばいい
という選択肢もある。
彼が意味不明な言動をして、未だに何故かあたしと恋人ごっこを持続させようとするけれど
――――あたしが、本物の“恋人”を作ったら………?
もう、あたしに構う事なんてないだろうと、思う。
それでいいんじゃない……?
話したとこで、あたしはフラれてるんだから
ここは、橘の腕を選ぶべきなんじゃない?
だって、橘に気持ち、流れそうになったじゃん
橘に流されてもいいか
なんて思ったじゃん。
花木君の突然の乱入がなければ、今頃、あたしは橘と………
………そうよ。
“流されてもいいと思うよ?”
流されてもいいと自分でも思ったんだもん。
第一印象は最悪だったけれど
クソ橘だったけれど
それでも、“あたし”という人間を見てくれてた。
“あたし”という人間を、実はちゃんと分かってくれてた風だった。
だから、橘なら流されてみようか…
そう思った。
だから、あたしが選ぶべき腕は……―――――
ただ、じっと静かに腕を差し出したまま、あたしの答えを待つ。
……ていうか。
花木君の腕を選ぶメリットって、あたしにはあるの?
確かに、花木君の謎の言動は気になるし意味不明だし
どういうつもりなのか問いたい気持ちはあるけれど
でも……ほっとけばいい
という選択肢もある。
彼が意味不明な言動をして、未だに何故かあたしと恋人ごっこを持続させようとするけれど
――――あたしが、本物の“恋人”を作ったら………?
もう、あたしに構う事なんてないだろうと、思う。
それでいいんじゃない……?
話したとこで、あたしはフラれてるんだから
ここは、橘の腕を選ぶべきなんじゃない?
だって、橘に気持ち、流れそうになったじゃん
橘に流されてもいいか
なんて思ったじゃん。
花木君の突然の乱入がなければ、今頃、あたしは橘と………
………そうよ。
“流されてもいいと思うよ?”
流されてもいいと自分でも思ったんだもん。
第一印象は最悪だったけれど
クソ橘だったけれど
それでも、“あたし”という人間を見てくれてた。
“あたし”という人間を、実はちゃんと分かってくれてた風だった。
だから、橘なら流されてみようか…
そう思った。
だから、あたしが選ぶべき腕は……―――――
