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陽だまりの仮面 -嘘-

第3章 美女とメガネ

……座ったはいいけど……どうしたものか。


荷台へ跨ったまま、じっと俯いて下を向いてると

彼は黙ったまま自転車へ跨り



『はい』


『へ?』


『手』


『手?』



………まさかっ!!



と思った時には





グイッ





『しっかり持ってないと。

落ちて怪我しても知りませんよ?』



『~~~~~ッ‼‼』




時、既に遅し。


花木君は前を向いたままの状態で

後ろに居るあたしの両手を掴んで、自分の腰へと回した。




この瞬間。


彼の背中から伝う、彼の温もり。

ふわりと鼻を掠める、彼の香り。

両手を掴む、彼の手の感触。


それらを感じて、


牧村 琉愛。


人生史上、1番のドキドキMAX!!!






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