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陽だまりの仮面 -嘘-

第3章 美女とメガネ

小さく溜息を1回吐いて、跨ってた自転車を降りながら言葉を向けた花木君は




『僕達が“恋人同士”だと皆に知って貰うには、この放課後の部活帰りでごった返す時間がベストなんですよね』



そう言いながら




『ッ!!』




あたしの右手を掴んで




『だから、行きますよ?』



『えっ……!?』




テンパってるあたしを完全無視。


花木君は自分の自転車まであたしの手を引いて誘導して



『座ってください』



ニコリとも笑わない表情で、自転車の後ろに座るよう促した。


一連の動きを見事なポーカーフェイスでやって退ける彼に圧倒されて、あたしは




『……失礼…します』




彼の自転車の荷台へ座った。









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