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陽だまりの仮面 -嘘-

第4章 恋人ごっこ2日目

「ね、ねぇ、2人共取り敢えず学校に…」


「琉愛ちゃんは今黙ってて?」


「だから、それを止めてくださいって言ってるじゃないですか」



取り敢えず、止めてみようと試みてみたけれど、事態は悪化した気がする。



もう……しーらね。

自転車に跨ったまま、あたしは花木君の後ろで完全なる傍観者。



「さっきから何を止めれっつってんの?」



「ハァー……。本当に分からないんですか?」



「は?」



「牧村さんの事を“琉愛ちゃん”なんて呼ぶの、止めてくださいって言ってるんですが?」



「――――は?」



更に険しくなる木山の顔を見て


おぉ~………すげー……


なんて感心してると、突然




「わっ……‼」



グイッと前方向に両手を引かれて



「~~ッッ‼‼‼」



後ろに少し仰け反るようにして座ってた身体も、花木君の背中にピッタリフィット。


さっきまで余裕ぶっこいて2人の様子を傍観してたのに、途端に



ドキン、ドキン……



余裕、ゼロ。




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