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陽だまりの仮面 -嘘-

第1章 2面性

「付き合わないよ」


溜息混じりに言葉を返すあたし。

砂羽は、週初めになると決まってこのくだらない質問を向けてくる。


ほんと。

実にくだらない。


「なんでぇ?あんたもう17歳だよ?

いい加減、彼氏の1人や2人……」



その“1人”や“2人”に、取り巻きの中の誰かを宛てがえって?


冗談でしょ。

勘弁して。



「絶対に嫌だ。」


「木山なんか顔もいいし性格も優しいしいいと思うんだけどな~」


「なら砂羽が付き合えばいいじゃん」


「はっ?ウチは彼氏いるし木山タイプちゃうし!」



なんだ、そのエセ関西弁。

あたしだって木山もその他もタイプでも何でもねぇっつーの。



「琉愛、可愛くても彼氏が居なきゃ宝の持ち腐れだよねー」


「ほっとけ」



周りのクラスメートに聴こえないように、小さく砂羽に毒吐いて。


再び静かに参考書を見てる“フリ”。





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