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天使

第6章 発見

天使を辞めたので、もう人の心の声は聞こえてきません。
これでよかったと思います。今後は本当の声に真剣に耳を傾けて生きて行こうと思います。

街に出かけてみました。

ちょっと、ビックリしました。

今までは、悪い事を考えているんじゃないかと思いながら、人びとを見ていたので、なんだかみんな悪人に見えていました。
ところがどうでしょう!街行く人はみんな穏やかな表情をしたいい人ばかりです。

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天使を辞めて、1ヶ月が経ちました。
今は近くに住む庭師の大将の元で仕事を教えてもらってます。


天使をやってた頃とは、全く違う毎日です。

お酒の量が減りました。
夜はぐっすり寝れるようになって、朝は小鳥のさえずりで目が覚めるようになりました。
体重が2キロ増えてしまいました。

この年になって恥ずかしながら、やっといろいろなことに気づきました。

好い人と善人は全く別物なんですね。

きっと、天使だった頃のわたしは、とても嫌なやつだったんでしょう。

人を猜疑の目で見て、「善に導くんだ」なんて傲慢なことを考えていたのですから…
目つきもきっと悪かったのでしょう。


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最後に一つお教えしときますね♪

ほら、あなたの会社にいる、あの…
いつも不機嫌そうな顔をして、人の悪口ばかり言ってて、話をよく聞かない、悪い目つきをした、大嫌いなあいつ…



あいつ、間違いなく天使ですよ!
しかも、かなり有能な!
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