テキストサイズ

天使

第5章 転機

家で一人で飲んでたらかなり酔っ払ってしまいました。


天使を始めた頃のことを懐かしく思い出しました。
私はまだ学生だった頃に、神様から声を掛けられ天使になることにしたのです。
世間では[神の啓示]と呼んでいるみたいですが…それです。

街を歩いているときに神様から「天使をやってみないか?」って声を掛けられのです。

当初は「世界を平和にする素晴らしい仕事だ!」「自分は選民なんだ!」と興奮したものでした。


ところが、今はというと…
業績が悪いと上司からは毎日のように叱られ、同僚からはばかにされ、後輩からは無視をされる…ただのしょぼくれた、さえないオヤジです。

達成できるミッションなんてほとんどなくて、一匹のカエルすら救えません。
最近では何が善で、何が悪かもよく分からなくなってきてしまいました。
「天使だ!」なんて恥ずかしくて人に言えません。

それでも、生活のために惰性でダラダラと天使を続けているのです。

ほんと、すみません…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ