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第2章 入学式

 でも、手術をして、リハビリをすることになった結果、今まで何も言わなかった母親が剣道を続けることを猛反対した。
『私は反対です!護身用に身につけるだけなら、もう十分強くなったから、必要ないはずです。またアキレス腱をきることになって、今度は上手くつながらなかったらどうするんですか!万が一、歩けなくなったらどうするんです?私は絶対に反対です!』
 それで祖父と母親が大げんかして、間に入った父親が困って・・・。その結果、剣道部がないこの学校へ入寮することになったのだ。嘘のような、本当の話だ。
 中学校3年生の中体連でケガをして、それから夏休みは入院生活。退院してからも松葉杖。それから、半年も経たないうちに入試を受けて・・・。ここに合格したのは奇跡にも近いと思っている。
「でも・・・。もう充分強くなったから。剣道を続ける必要がないんだ。それに、家族も心配していて、体育くらいならいいけど、激しい運動はして欲しくないって。反対されてて・・・」
「そうなのか」
「だから、運動部に入る気はないんだ」
 母親が絶対に許すはずがない。あの人は、ああ見えて本当に頑固だから。
「良い筋肉の付き方しているのに。もったいないな」
 この発言にクラスメイトが僕たちを注目していたことは、全く僕は気がつかず。
「マネージャーも良いかなとは思っているんだ」
「そうか」
「うん」
 僕たちは2人でどこの部活動を見学に行こうかと話し合っていた。
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