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第2章 入学式

 その事件の後、僕たちは交代でお風呂に入り、一緒に食堂で食事をして、何事もなかったように眠った。
 出会いは最悪だったが、礼二は話してみると気さくな奴で、結構気があった。
 食堂で上級生に絡まれそうになった俺をすぐに助けてくれたり、力の弱い俺のかわりに玄関に届いていた宅配便を部屋まで運んでくれたりして、案外、良い奴だと思っていた。
(その行動が周りからますます誤解されているとは、その時の僕は気付いていなかった。)
 表面的には何も変化なく、平穏無事に生活することが出来た。

 次の日。
 礼二と一緒に寮から徒歩で3分のところにある学校へ行き、クラス別の名簿が貼ってある生徒昇降口を見た。
 すると、偶然にも礼二と同じクラスだった。(1年生は早く学校生活に慣れるようにとの配慮で同室は同じクラスになっていることを後で知った。)

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