君に恋した冬
第4章 歪む心
ある程度拭き終わり、パンツを履かせ
「起きあがれる?」
『…』
はぁ、と小さく溜め息をつき
由梨の身体を抱き起こす
座った拍子に忘れかけていた痛みが
由梨の下半身を襲う
『いっーーー!』
思わずうずくまる
痛みで、先ほどまでの事が
鮮明に頭によぎり
また恐怖と絶望で身体が自然と震え
歯がガチガチと音をたてる
「もう何もしねぇから」
『あ…う…っ』
上手く喋ることが出来ない
このままここにいても埒があかないと思った男は
由梨に背を向けしゃがんだ
「乗れ」
『う…う…』
まだはっきりと頭が回転しない由梨は
震えながらその場に打ち付けられたように
立ち上がる事が出来ない
「仕方ねえな」
そう言って男は、由梨の腕を取り
ひょいと軽々しく由梨をおぶった