君に恋した冬
第4章 歪む心
いかがわしいCLUBは、
もう明け方に差し掛かろうとしている時間にも関わらず
客足は一向に途絶えない様子だった
先ほどまで自分をまるで道具のように
好き放題犯しまくっていた男に
今はおんぶをされながら
その店を後にする
そんな自分が可笑しくなり
由梨は少しずつ戻りつつある思考回路で
そんな事を考え自嘲する
『ごめんなさい』
「え?」
『汚れちゃったの。もう、大智くんに
合わす顔がないの。
汚い女なの。ごめんなさい』
自分に言われた訳じゃないと解った男は
そのまま何も言わずに由梨の懺悔を聞いていた