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君に恋した冬

第4章 歪む心




「座れる?」



男の車の助手席に乗せられ


「とりあえず、俺ん家でいい?」



『ごめんなさい…ごめんなさい…』



ポロポロと涙をこぼし、
ただひたすら好きな男を思い浮かべて
涙を流す少女を、男は黙って一瞥し

そのまま車を走らせた



昨日降った雪は、積もる程には
降らなかったらしく

明け方の冬空は、結露をキラキラと反射させ
静かに辺りを照らしていた



『大智くん…ごめんなさい…』



静かな車内には、少女の涙声だけが
BGMのようにひたすら響いていた



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