君に恋した冬
第4章 歪む心
「怖がるのもわかるけど、
本当に今はもう何もしないから安心しろよ」
安心なんか出来る訳がない
でも従わなかったら
またあんな事をされるのではという恐怖が
由梨の心をえぐる
『は…い。』
返事をするだけで精一杯だった
わなわなと足は震え
歯も食いしばっていないと
ガチガチと震え出す
「とりあえず、風呂入るか?
昨日のままだし、気持ち悪いだろ?」
『ぃぇ…』
確かに、パンツは一度びしょびしょに濡れて
そのまま半乾きの状態
身体のあちこちがベトベトし、
とても気持ちのいい状態とは言えなかった
「いいから、とりあえず入ってこい。
これ、着替えとタオル。
パンツは悪いけど今だけ俺のトランクス
履いて我慢して」
半ば強引に着替えとタオルを持たされ
浴室まで連れて行かれる
「ゆっくり入れよ」
そう言って、静かに笑って戸を閉めた