君に恋した冬
第4章 歪む心
「おまえ、笑うとまだマシな顔になるな」
若干イヤミを含んだ言い方にカチンとくる
『どうもありがとうございます』
負けじと嫌みったらしく返事をすると
アキラはふっとまた微笑んだ
もしかして、この人
私に気を遣ってわざと…?
本当なら、昨日自分を犯した相手と
こんなに普通に喋れるはずがない
これは多分、アキラが持つ独特の雰囲気が
由梨を落ち着かせていた
どこか陰のあるような、
掴み所のない印象が
逆にこの人は一体何を思って
私を犯したんだろう
そう思わせてならなかった