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君に恋した冬

第6章 高校生編スタート






いつもの様に、コンビニに寄って
ジュースやデザート等を買い込む

ふと、求人情報のフリーペーパーに目がいき
なんとなく手にしてアキラの家に着いた



着いてからしばらく
そのフリーペーパーを真剣に見る



「バイト?」



『うん。何もする事ないし、何かしようと思って』



「…ふーん。」




アキラは必要以上に何も聞かない。
それが由梨にとって、すごく居心地が良かった。


元々無口なのか、あまり会話はしない方だ。
それは由梨も同じ事で、2人の間には沈黙の方が多かった。

だが、2人共その沈黙に居心地の良さを覚えていた。



『ここにしよっかな』



由梨が指指したのは、駅近のカラオケ店


『誕生日まだだけど、高校生ならいいんだって』



「ん?」



フリーペーパーをのぞき込むアキラから
ふわっとタバコの匂いが漂う

これも由梨の好きな事だった


『私、親居ないから。基本自由なの』



そう言った自分の声はひどく掠れていて、
そんな自分に由梨は驚いた



「…そっか。」



アキラは一瞬、すごく苦しそうな顔をして
でもまたいつもの無表情に戻って短く返事をした。



『…?』



不思議に思ったが、それほど気に留めず
由梨はカラオケ店に電話をし、面接日を決めた。



その間、アキラはぼーっと窓の外を眺めながら
煙草をふかしていた







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