君に恋した冬
第6章 高校生編スタート
目が覚めた時にはすでに日が暮れ始めていた
ぼーっとする頭をなんとか動かして
部屋に散らばった自分の服を取る
アキラ…今日バイトじゃなかったっけ?
そんな事をぼんやり考えながら
視線をアキラに移す
『綺麗な顔…』
思わず息をのんでしまうほど
アキラの寝顔は尋常じゃないほど綺麗だった
夕陽に照らされ、元々赤い髪は更に赤みを帯びていて、
すっと通った鼻筋、長い睫、少し薄い唇
肌の色も、少し白めなアキラは
赤い髪が本当に良く似合っていた
あ…起こさないと
ようやく服を着終えた由梨は
そっとアキラの肩に手をかける
『そろそろ起きないと、バイト間に合わないよ』
「ん…」
もぞもぞと身じろぎし、不意に由梨の腕を掴み
そのままベッドへ引きずり込んだ
『きゃっ…!』
すっぽりとアキラの腕の中に収まった由梨は
恐る恐るアキラの顔をのぞき込む
「スー…スー…」
まだ、もう少しだけなら…
いつも抱きしめられる以上の事をしているのに
何故だかうるさい心臓を必死でなだめながら
なんだか良く解らないドキドキに
由梨は戸惑ったが、
もう少し、こうしていたい
そう思って、ギリギリまでアキラを寝かせてあげた