君に恋した冬
第7章 大事なもの
「大智だっけ?そいつと付き合うのか?」
すっかり忘れていてハッとする。
携帯を見てからは、アキラの事で頭がいっぱいで
そのついでという感じで言ってただけで
内心は大智のことなんてちっとも頭に無かった
『どうしよう…』
「どうしようって…お前好きじゃなかった?そいつのこと」
『うん…でも』
何かが引っかかる。
その何かがわからないのだ。
「お前の好きにしろよ。でも俺はどっちに転んでも、お前を離す気はない。」
またキッパリとそう言われ
顔が熱くなっていくのがわかる
『…どうして?』
どうして離す気はないの?
「さぁ、なんでだろうな?」
ニッと少年っぽく笑うアキラに見とれてしまう
たまに見せるこの顔が、
由梨はたまらなく好きだった
本当のアキラを見ている気がして…