君に恋した冬
第7章 大事なもの
次の日目が覚めると、既にアキラは起きた様で
浴室からシャワーの音が洩れていた
『ん…』
もぞもぞと身じろぎをしながらぼーっとする
由梨は寝起きが悪い方だ。
キュッとシャワーを止める音がする
もうそろそろ起きないと…
そう思うが、昨日久しぶりに繋がった身体がずっしりと重い
そうこうしているうちにアキラが部屋に戻ってきた
「おはよ。起きた?」
『うん…おはよ』
なんとなく気恥ずかしくなり顔を背ける
ベッドが沈み、アキラが隣に腰掛ける
「今日美容室行こう」
『…?髪切るの?』
「うん。お前がな」
『え、私!?』
ガバッと起き上がるとアキラはすぐに由梨の肩に腕をまわす
「せっかく最近化粧とかしてるのに、そのボサボサはないだろ」
『ボサボサ…』
由梨の髪型は本当にボサボサと言われても仕方がないぐらい
長い前髪や、量の多い腰まで伸びた髪の毛が
夏には見てる方も暑苦しくなるようだった
「俺に任しとけば、悪くはならねぇよ」
『うん、わかった』