君に恋した冬
第8章 乱れる関係
『やっぱり私…大智くんとは…んん!?』
付き合えない
そう言おうとする唇を強引に奪われる
強い力で頭を押さえつけられ、顔を背ける事が出来ない
『ふっ…やめ、っ…』
ギュッと押しつけられる唇が痛い
どうしてだろう
前とは違う
前にされたときは、今日みたいに強引だったけど
でも確かにふわふわして嬉しかった…
でも、これは…何か違う…
なんだか、怖い…大智くんが、怖い…
『やっ…だ…っ』
不意に唇が離され、頭にあった大智の手が
そっと首に触れる
「由梨。俺はずっとお前が好きだったし、お前も俺のこと好きだったよな?」
ーーー!?
バレてる…どうして?
「なんでって顔してんな。そんなの毎日顔会わしてたらわかる」
なんだ…とっくにバレてたんだ
じゃあどうしてあの時じゃなくて、
今更急に言ってくるの…?
少し疑問に思いながらも
『えっ…と、うん。好きだった』
素直に頷く
「じゃあ、断る理由なんか無いよな?」
真顔でそう言われ、由梨は言いしれぬ恐怖を感じる
大智くん…本当にどうしたの…?
『でも、私はもう』
言い掛けた瞬間、首に激痛が走る
『ーーーっ!!』
咄嗟のことで声にならない
ギリッ…と大智の親指が、由梨の首を強くひっかく
アキラがつけたキスマークの場所を
そうとは知らずに由梨はただただ
豹変してしまった大智に怯える