テキストサイズ

君に恋した冬

第8章 乱れる関係




「なら、断る理由ないよな?」


さっきまでとは違い、また強い眼差しで言われる


『大智くん…』


「断る理由ないよな?」


また同じ事を強い口調で言われる

ヒリヒリ痛む首が、由梨の恐怖を煽るが
それと同時に大智への戸惑いも出てくる


「お前が何を思ってんのかはわからないけど、
俺は由梨と付き合うことしか考えて来なかった」


今まで散々違う彼女がいたのに…?


「だから好きだったって言ってくれて
本当に嬉しかったんだ」


『うん…』


「だから、俺のものになって。他の奴に
由梨を渡したくない」



そう言った大智の目は
先程までとは違い、どこか悲しそうだった


「どんな由梨でも構わない。
俺の側にさえ居てくれれば、それでいい」



その言葉には何かを理解しているような、
そんなニュアンスが含まれていて
由梨は余計に混乱してしまうが


どんな私でも…


汚れた私でも…?



胸につかえているものが見透かされた様で
でも少しだけ気が楽になる



『私で…いいの?』



気付いたらそう言ってしまっていた




ストーリーメニュー

TOPTOPへ