君に恋した冬
第8章 乱れる関係
2人とも抱き合ったままソファーで寝てしまい
身体の気だるさから早朝に目が覚める
『ん…』
朝5時でも、真夏だと充分明るい
カーテンから射し込む光に目を細めながら
アキラを起こさないようにゆっくりと
その腕から離れる
『っ!?』
だが、グイッとアキラに引き戻され態勢を大きく崩し
アキラの腕の中にまたすっぽりと入ってしまう
「どこ行くの…」
まだ寝ぼけ眼を擦りながらアキラは不機嫌そうに
由梨を見つめる。アキラも寝起きが悪い
そういう小さな所は2人共似ていた
『あ…ごめん。起こしちゃった?』
「ん…」
『お風呂、借りようかと思って…』
「…そっか」
そう言ってアキラはまた腕に力を込める
『…?』
「もうちょい、このままでいて」
ドキン…と心臓が鳴る
『うん…』
ドキドキの正体はわからないが、
居心地の良さに目を閉じる
そのまま2人はまた深い眠りに落ち
目覚めた時にはお昼前だった