君に恋した冬
第13章 少しずつ
ふとアキラが由梨の手元に転がる写真を目にする
みるみる顔が強張っていき
「おまえ…これ…見たのか…?」
『え?ーーっ!』
頭が痛すぎてアキラの言葉を上手く聞き取れない
「とりあえず帰ろう。歩けるか?」
『ん…大丈夫…っ』
なんとか車までアキラに支えて貰いながら歩いて
そのまま座席のシートを倒して頭を抱えて倒れ込む
「大丈夫か?急ぐからもう少しだけ頑張って」
『大丈夫…ゆっくりで、いいから…っ』
何…何なの急に…
あの写真を見てから…いきなり…
アキラはどこか焦ったような
それ以上の感情が読めない顔をしていた
アキラ…どうしたの…?
ズキズキと痛む頭を抱え、少し呻きながら
強く目を瞑ってその痛みに耐え続けた