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君に恋した冬

第14章 新学期




ずっと浅井くんと呼んでいた由梨に
ある日突然恭介でいいと言われ
最初は戸惑ったものの、今では普通になっていた


呼び捨てしてはいるものの、
恭介は由梨の2つ上だ。なのでバイト中の人前では浅井くんと呼ぶようにしていた



5時間の勤務時間を終え、休憩室で少し皆で談話してから解散する

これも日課になりつつあった



「ねぇ由梨。あの彼とは別れたの?あれ以来ずっと見ないけど…」


歩美がキャンディを舐めながら尋ねてくる


『あ…うん。もう結構前に…』


「そっかー。でもさ、あの彼ちょっと怖かったよね。イケメンだったけど」


怖かった…?


『そうかな…?』


「うん!なんか目の奥が笑ってない感じ!
あの頃由梨も元気なかったしさ。今の由梨見てると別れて良かったんじゃないかと思うよ」


屈託なく笑う歩美は、女の由梨でも少しときめいてしまいそうなほど魅惑の顔の持ち主だった



「じゃあ気をつけて帰りなよ!またね!」


『歩美も!またね!』


大きく手を振って歩いていく歩美を見送ってから
自分も家へと歩を進める



もう9月の中旬


夜は少し肌寒かった




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