君に恋した冬
第14章 新学期
あれから一度もアキラと由梨は繋がっておらず
完全に痣が消えてからというアキラの主張を尊重しての事だった
そして今日、アキラにお願いされたのは
ー制服を着て来て欲しいー
由梨の肩に顔をうずめながら
「あーマジヤバい。このままここでしちゃう?」
フッと由梨の耳に息を吹きかけ
甘い声で囁く
全身がゾクッと粟立つが、必死に堪え
『ここ、玄関だよ…中、入ろう…?』
回された腕にそっと手を重ねて窺う
「ちっ…しゃーねぇなあ」
アキラはわざとらしく舌打ちをしておどけてみせた
思わずお互いからこぼれる微笑み
確かに幸せだった