君に恋した冬
第15章 交差する思い
「じゃ、学校頑張れよ」
『うん。送ってくれてありがとう』
学校の近くまで送ってもらって、そのままアキラは帰って行った
バイバイ…したくなかったな…
一緒にいればいるほど離れたくなくなるもので、
由梨はこの瞬間が嫌いだった
でも…わがままは言えないよね…
アキラも大学があるし…
一緒にいたいって言ったら
訊いてくれたかな…
好きになればなるほど不安も大きくなる一方で、
相手の気持ちが見えないことに段々と心が曇ってくる
知りたい…聞けない…
もしアキラの気持ちを訊いたとして、
何とも思っていないと言われるのが怖かった
由梨は重い足取りのまま学校へ向かった
だめだめ。ちゃんと切り換えないと…!
長い髪の毛を優しい風が撫でる
少しだけ気分が晴れた気がした