君に恋した冬
第15章 交差する思い
学校が終わり、バイトに行き
就労時間を終えて休憩室で皆と談話する
高校生のアルバイトは由梨を含め6人だった
「そう言えば!由梨もうすぐ誕生日だよね!」
『あ…忘れてた』
すっかり忘れていた由梨だったが、
もうすぐ10月2日、由梨の16歳の誕生日を控えていた
「やだー!おばさんみたいな事言わないでよ!」
歩美がニコニコしながら肩を小突いてくる
「ねぇ!その日みんなでお祝いパーティーしない?」
「あ!それいいねー!しよしよー!」
『え!?いいよ、そんなっ』
由梨の遠慮も虚しく皆は本人そっちのけで、
あーでもないこーでもないと大盛り上がりだった
「じゃ!由梨、その日はバイトが終わったら私の家に集合ね!」
歩美は尚もニコニコ
その笑顔に由梨は観念し
『わかった』
皆の気持ちが嬉しくて自然と笑顔でそう答えた
誕生日かぁ…
こうして友達沢山で過ごすのは初めてだな…
小、中学生時代は暗いポジションだったため
あまり友達もおらず、毎年家で1人だった
楽しみだな…
友達の存在に心が暖かくなった
「あ、今日いないメンバーと、当日空いてる人全員に声かけとくね!」
『うん、ありがとう。楽しみ』
休憩室は複数の女の子がキャッキャとはしゃぐ声で盛り上がっていた