君に恋した冬
第15章 交差する思い
それからも目まぐるしく働いた
何度かアキラの部屋へ食事やドリンクを運びに行くことがあったが、アキラは知らない人のフリをしていた
でも悲しくはなかった
腕には、アキラの優しさが光っていたから
でも、よくよく見ると何人か女の人がいて
それだけが少し心に引っかかっていた
…ただの、友達だよね…
そうこうしているうちに、あっという間に5時間経ち就労時間を終える
更衣室で沙也香と談話しながら着替えを終え
一緒に歩美の家へ向かう
由梨はその前にアキラにメールをしておいた
【プレゼント、ありがとう。
すごく嬉しかった。
でも、どうして私の誕生日知っていたの?】
すぐには返事は返ってこなかった
そして閑静な住宅街に入り
沙也加がふと足を止めて振り返る
「由梨ちゃん!歩美の家ここだよ!」
『え…デカい…』
思わず門の前で固まってしまう程、歩美の家はまさに豪邸だった
沙也香がインターホンを押すと、歩美の元気な声が聞こえてくる
「あ、鍵あいてるから入ってきてー!」
「さ、由梨ちゃん行こう!」
沙也加にニッコリ微笑まれ、釣られて由梨も笑顔になる
『うんっ!』
大きな門をくぐって、ドアを開けた