君に恋した冬
第15章 交差する思い
それからは皆でわいわいと学校のことや
バイトのことを話したりと大盛り上がりだった
パーティーもそろそろ大詰めになってきたところで
皆からのプレゼントがあると言われ部屋に取り残されてしまう
かなり待ったが、誰も帰ってこない。
『みんな…どうしたんだろ…』
やり場のない空気にジュースを啜って濁していると、ふっと部屋が暗くなり、ブラックライトで照らされる
慌てて入り口を見ると、白雪姫に仮装した歩美が現れた
そこから皆の小劇場が始まった
それは原作の白雪姫とはほど遠い内容で
白雪姫がすごく強気で勝ち気な女の子故に
皆がてんやわんやするという喜劇だった
由梨はお腹を抱えて笑った
皆の演技やメイクが面白おかしくて
涙を浮かべて笑った
劇の最後に、ケーキが登場するシーンがあり
そのカットする役を由梨にいきなりふられ
どぎまぎしながらもケーキにナイフを刺し込んだ
これで無事にハッピーエンドという内容だった
ケーキにはもちろん
【ゆりちゃんHAPPYBIRTHDAY】のチョコプレート
「この台本はね、私が考えたの!でもケーキは皆で作ったんだよ!」
歩美が屈託なく笑う
『もう…最高のプレゼントだよ…っ!』
思わず歩美に抱きついた
そして、そのケーキもまた絶品で
この味も一生忘れないと心に誓った由梨だった