君に恋した冬
第16章 衝突
そのまま恭介は家まで由梨を送ってくれた
何も訊かなかったし
こうして甘えてしまう由梨を責めたりもしなかった
私は本当にズルい…最低だ…
自分が辛いからって、恭介の優しさに甘えて…
どうして…どうしてそんなに私に良くしてくれるの?
恭介といい…アキラといい…
「じゃ、またな。」
『…うん。ありがとう…』
恭介の優しさが辛い…
応えられない自分も悔しい
それ以上に、恭介をしっかり突き放せない自分が
もっと憎らしい
『ほんと…最低…』
はぁーとそのまま玄関の扉に背を預け
ズルズルとしゃがみ込む
恭介だって、こんな状態、辛いよね…
アキラ…はっきりさせるのが怖い
でも、そうしないと私はもう前には進めないような気がするの
あなたの気持ちが知りたい…
セックスフレンドなんて…
なるんじゃなかったなんて…
今となっては後の祭りだね…
アキラ…
好き…つらいよ…